【報告】第2回「ひとの授業~森下真さんの巻~」 転身のカギは〈人を観る目とセンス〉!!

9月7日日曜の午後、おろいちキャンパス(西宮卸売市場)にて、上記の授業を行いました。
まちがくで「鳴尾のボン」を知らない人はモグリ!?と言われている森下真(もりしたまこと)さんが今回のゲスト。
講演では森下さんの4つのテーマ(「鳴尾のボン」・「西宮の景観」・「ららぽ甲子園の謎」・「アートの世界」)を順々に軽快にお話しいただきながら、森下さんの「華麗な転身(ポイント)」を絡めて、そのユニークなキャリアを紐解いていくという展開です。
まずは、なぜ「鳴尾のボン」を名乗るのか?その生い立ちを当時の写真を交えて説明され、中学校の先生から「ボン」だけに、私学の「報徳学園」に進学をしては?とアドバイスされたことが一つ目の転機、
そして高校から大学を経て、安藤忠雄氏の建築に憧れたものの、商業コンサルの道に進まれたのが2つ目の転身、お話はここから西宮市の景観に関する話題に。
西宮北口の「プレラにしのみや」の再開発事業も手掛けられたらしいのですが、ビルの外壁の色というのはここでは「アースカラー」という自然物を連想させる落ち着いた色合いが用いられているというお話(へぇ~⁉)以下の写真でもわかるように同じく西北の「芸文の通り」はほとんどがこの色調で統一されています(へぇ~⁉)。
こうした景観に絡んで、この西宮市とも協力されて、「西宮まちなみ発見クラブ」という市民グループを立ち上げから10年間やられて、西宮の隅々まで歩いて、「まちなみ発見マップ」を作成して見えました。
そして45歳で「アピア逆瀬川」の再開発に携わられたのが、3つ目の転身。その後に「ららぽーと甲子園」の管理所長に就任されます。
その次のテーマは、この「ららぽ甲子園」に関するお話で、ロゴマークの意味やこの施設の作りに隠された物語にも話が及び、よく足を運ぶ「ららぽ」にこんな隠された物語があったとは一同(へぇ~!?)の展開。
さらに55歳で梅田の「PIASタワー」をビル管理する担当時にそのギャラリーも担当されたのが4つ目の転身で、ここから「アートの世界」に身を投じられます。
この仕事のお蔭で、数多くのアーティストの方々と出会い、展示会のディレクションを任されるようになっていかれます。
またここでの出会いから、神戸三宮の「KIITO(デザイン・クリエイティブ・センター)」の管理に関わられるという5つ目の転身を果たされ、ますますアートの世界に入っていかれます。
その上で、いよいよ今年の7月に副業で「アートライアングル.M」という屋号の個人事業を起業され、今後は近鉄百貨店上本町店などで、森下さんの見込んだアーティストの個展や展示会をバンバン企画・実施されていかれるようで、ますます楽しみな森下さんであります。
それにしても、どうしてこういう「華麗なる転身」が、森下さんには図れたのか・・・?
人を観る目、センスをずっと養ってこられたというお話、そうした人との出会いやつながりを非常に大切にしてこられたお話、商売人であったお父様から言われてきた言葉などなど、ここでは書ききれない話題をいっぱい提供いただきました。
それを聞いて、受講の皆さん同士で2回にわたる対話を行ない、熱心な質問が投げかけられました。
話題は多岐にわたりましたが、皆さんが関心を示されたのは、特に地元の商業施設に関する質問。それに間髪入れずに、森下さんが熱を帯びた回答をされましたので、ますます会場はヒートアップしてまいりました。
最終的には、「ひとの授業」ならぬ、「みせの授業」の様相を呈してきましたので(笑)、2時間半の授業、大いに盛り上がりましたが、このあたりでお開きといたしました。
ゲストの森下さんはじめ、熱心にご参加いただきました皆さん、また初回ゲストの中野佳代子さんも顔を見せていただきました、本当にありがとうございました。
さて、「ひとの授業」としては、次回11月を予定していましたが、少し日程が延びて、来年の1月12日(月・祝)に酒ミュージアム館長の「弾正原佐和(だんじょうばら・さわ)さん」をゲストにお迎えして開催いたします。この博物館を使ってのフィールドワークもあり、西宮にゆかりのある「酒」と「桜」にまつわるお話をたっぷり聞けます。市制100周年に相応しい授業になりますので、次回も奮ってご参加をお待ちしております。
◆コーディネーター;村松賢一